〜「乳がん術後と放射線照射後の皮膚のケアについて」〜


 乳がんを手術したあと、最初は手術のきずあとそのまわりが痛みますが、1ヶ月過ぎるころから、皮膚が硬くなり、こわばるという症状がでてきます。また、放射線照射したあとは赤く、ひりひりして、皮膚の薄皮がむけ、その後色素沈着で黒くなります。

上記の症状がどうしたら早くよくなるのかお伝えしようと考えてこのコーナーを設けました。


1. 乳がん術後の皮膚のケアについて

 乳がん術後1ヶ月は皮膚が硬く触ると痛いのでなかなか皮膚のケアができません。また術後3ヶ月間は、きずやその周囲が硬くなります。しかしその後6ヶ月から1年かけて徐々に柔らかくなってゆきますので心配しないでください。その間、皮膚のケアをすると早く皮膚が柔らかくなり、拘縮(こわばり)が改善します。

 また、胸と腋(わき)と腕の動きは連動しているので動きもよくなります。試して下さい。入浴中にバスタブの中で、手のひらで円を描くように手術のきずとそのまわり、腋をマッサージしてください。「よしよし、良くなる良くなる」と考えながらマッサージするのもよいです。体を洗うときもソープのアワで円を描くようにマッサージしてください。

 入浴後はヒルドイドクリーム(外科の先生が処方してくださいます)やマッサージ用クリーム、スクワランなどのオイルといった保湿剤をつけてマッサージしてください。

 ときどき患者さんの中には傷あとを見たくないので、胸をまったく見ないでお風呂にはいっているという方がいます。そういう方の胸をみますと、垢(あか)だらけになっていることがあります。体を清潔にしないと菌に感染する可能性がありますので気をつけましょう。乳房が変形したり、全摘のため乳房がなくなってもそれは乳房のせいではありません。よく頑張ったとねぎらってあげましょう。ですから、毎日きれいにしてやさしくマッサージをしてあげましょう。そうするとあら不思議、手も動かしやすくなります。ものごとはよくもわるくも考え方しだいです。Positive thinking!


2. 放射線照射後の皮膚のケアについて

 放射線照射後の皮膚は強い日焼けや軽いやけどあとのようになります。最初の15回くらいまではなんともないのですが、最後の10回くらいになりますと、徐々に赤くなり、その後黒くなり皮がむけてきます。これは放射線による皮膚の炎症により生じます。照射後2週間はリンデロンVG軟膏など放射線科の先生が処方される軟膏を風呂上がりにぬりましょう。その際、下着が軟膏で汚れるのでガーゼを1枚照射部分にあてるとよいでしょう。ブラジャーはスポーツブラなどフルカップの緩やかなものがおすすめです。硬いものがこすれると皮膚が傷みます。

 放射線照射後の皮膚は思ったより赤くなり、黒くなるのでびっくりしますが、あせらないでください。また、放射線照射しますと汗腺がなくなるのでその部分はあせをかかなくなります。そのため、皮膚がかさかさするようになりますので、保湿剤が必要です。照射後2週間後以降は、ときどき胸を見て保湿剤をぬってあげましょう。

 放射線照射したあとの患者さんがたまたま発見したことで、皆さんにもお知らせした方がいいと考えましたので付け加えます。矢永博子が開発したヒロコエッセンスCEは、本来お顔に塗る美容液なのですが、日焼けした後にひりひりして赤いときにぬると炎症がとれて赤みが改善します。また、ニキビの赤い部分にぬると早くよくなるようです。

 患者さんがこのエッセンスをぬると赤みや炎症が治まることに気づいて、放射線照射後の赤い皮膚に塗ったところ、痛みが軽減し、赤みが引いて、色素沈着も改善したとのことです。以来、お顔にぬったあまりを胸にも塗っているとのことでした。照射後2週間後以降に試してみてはいかがでしょうか?