2001年7月 当院開院以来 乳房再建手術・乳頭乳輪再建手術は 3556例です (2018年02月09日 現在)
 
    乳房再建について


 私が形成外科と乳房再建を始めたのは1985年からです。そのころ、日本の大学に形成外科学講座がある大学は少なかった時代でした。私が務め、学んだ聖マリアンナ医科大学は東京警察病院や慶応大学とともに形成外科のメッカの1つとなる存在でした。今では専門性が強く、1つの大学であらゆる手術を経験することは難しい状況ですが、私たちは耳介再建、口唇顎口蓋裂の先天性の病気の手術、顔面および頭頸部の手術、手足の再建、潰瘍等の創傷治癒、瘢痕ケロイドの手術、外傷の手術、目や鼻の顔面の美容外科など多くの手術を学びました。その経験は今でも大変役立っています。

 また、聖マリアンナ医科大学はその頃、まだ日本ではあまり行われていなかった乳房再建を始めていました。講師の酒井成身先生が中心となり広背筋皮弁と腹直筋皮弁による乳房再建が盛んに行われ、日本中から患者さんがたくさん集まってきました。私もその手術を一緒に毎週のように行っていました。そのとき、私は乳房再建をライフワークにしてゆこうと考えました。そのきっかけとなったことは、再発の患者さんが再建を希望し再建することで明るく前向きに生きようと、すっかりかわったからだと思います。そのころは乳腺外科の先生は乳房がなくても、乳癌の手術が成功して命がたすかればいいという考えが主流でしたので、再発の患者さんが再建するということを決意するのは難しい状況でした。家族の応援がなければできないことです。

 もちろん私が女性ですので、乳房を失うという女性の患者さんの気持ちがよくわかるという点から乳房再建を専門にしたいという考えもありました。聖マリアンナ医科大学から九州の福岡にある久留米大学医学部に勤務し、16年(1985〜2001)間に400例の乳房再建手術を経験しました。また、約20年まえから組織拡張器(expander:TE)とインプラントを用いた乳房再建が日本で行われるようになりましたが、乳房再建は保険適用ではありませんでした。2014年7月から 米国のアラガン社の製品のTEとインプラントが保健収載され、乳房再建は保険適用されるようになりました。多くの女性の患者さんはようやく乳房再建を女性の権利として再建できるようになりました。以前は乳腺外科の先生も患者さんも乳癌の手術のあとに再建ができることを知らなかった方がほとんどでした。こうした背景のもと私は今日に至るまで30年近く乳房再建を継続して行ってきました。

 2001年からはYanaga CLinicを開設し、2018年までに約3000例以上の再建を行ってきました。多くの症例を経験すると合併症は少なくなってきますし、合併症の対応処置に備えることができます。昨年2017年のオンコプラスティックサージェリー学会に登録された合併症の全国平均は、エキスパンダーの二次再建:全国平均は5.1%(うち抜去入れ替え17件)当院は0件、インプラントの二次再建:全国平均は3.3%(うち抜去入れ替えが11件)当院は1.6%(うち抜去入れ替えが0件)と当院は全国平均に比べても安全に行っているのがわかります。

 安全に手術を行うことはもちろん一番重要な点ですが、乳房再建のもう1つ重要なことは整容性です。再建乳房の整容性は患者さんのQOLに直接関係することですから形成外科医は美しい乳房を再建する審美眼を持つ必要があります。ひとりひとりの患者さんの体の状態、生活環境、希望、そしてできることとできないことを理解していただき、常に誠実に治療を行っています。
 
    矢永博子  

 

YANAGA CLINICは
安心の美容外科です。
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