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2006年7月  「女性セブン」 掲載分より ~ Vol.1

2006年7月6日
メディア

– プロローグ –

ある30代の母親は、右の乳房を失ってから、幼稚園に通っている子供と一緒にお風呂にはいれない、とつぶやいた。切除の跡は見せられない。だから、自分はTシャツを着て子供をお風呂に入れてあげるのだそうだ。そしてある40代の女性は、両側乳がんを告知され、両乳房を切除することを医師から告げられた。命とおっぱい、命と胸――頭のなかからその言葉が離れず、毎日泣き暮らした。

摘出手術後、抗うつ剤を飲むようになった別の40代の女性は、お風呂で手術の跡を一度も見ていない。だからきれいに洗うことができず、胸の部分に垢がたまってしまっていたという。世間ではいわゆる豊かなバストを誇る巨乳女性タレントが、男性だけでなく同性の支持をも集めている。小さな胸にコンプレックスを抱き、豊胸手術を受ける女性も年々増え、日本人の「おっぱい信仰」はある意味、ピークを迎えているともいえるだろう。 この人たちのおっぱいの話は、それとは別の次元の話だ。日本女性の23人にひとりが罹るといわれる乳がんにより、乳房を失い、心に大きな傷を負う女性たちがいる――


福岡第2の都市、北九州市・小倉の駅からタクシーで10分ほど走ると現れるモダンな3階建ての建物。そこが「矢永クリニック」である。クリニックの院長、矢永博子医師(52才)は、前に座る女性患者の言葉に熱心に耳を傾け、何度も、何度も頷く。「そうね、それはいいことね」「あら、そうなの。いいじゃない」「ほんと?」「最近、手術した仲間と“シワもとりたいよね”とか、“どうやってきれいになろうか”って話しているんです。

なんだか毎日が楽しくてね。これも先生のおかげです」という女性、大森陽子さん(仮名・52才)は、04年3月に北九州市内の病院で左側の乳がんの摘出手術を受けた。同時に組織拡張器(エキスパンダー)という人工の装置を胸に埋め込んだ。失われた乳房に代わる人工乳房を入れるスペースを作るためだ。手術を担当した医師に紹介されたのが矢永クリニック。1年あまりかけて形を整え、乳輪や乳頭を作っていった。

大森さんはいう。「乳房再建をしたいっていい出したのは私のほうからです。最初はね、担当の先生に反対されたんですよ。“再発を発見しにくくなる”、“100万円以上もかかる”って」 しかし、大森さんの熱意に担当医も折れた。「がんを摘出してみて、エキスパンダーを入れられるような状態であれば入れてみましょう」。そう約束してくれた。「麻酔が切れて目覚めたときには、すでに左側のわきあたりにふくらみができていました。その後矢永先生が調整してくださって、とてもいいおっぱいを作ってくれました」